熊本市帯山２丁目にあるこの家は、東バイパスから西側に１本入った住宅街に位置しています。バイパスとは１５０ｍ程度離れている為か、閑静な場所です。
敷地の広さは１４０坪程度あり、上段・中段・下段と３段の段差があるという特殊な形状を持つ土地でした。この土地に家族５人が暮らす木造２階建ての家を創りました。
土地に段差があるということで、断面計画が肝だったのですが、「１．主となる生活空間には段差を設けない」、「２．道路から主となる生活空間までの高さを出来るだけ抑える（毎日の階段の上り下りを出来るだけ減らす）」、「３．ダイニングキッチンから庭を眺めながらの生活が出来るようにする」、「４．近隣からのプライバシーと防犯を考慮する」という事などを考えて、中段の土地にメインの生活空間を配置し、設計しています。したがって、道路側から見れば３階建てのように見えますし、敷地奥の方は、建物が地面に埋まった形になっています。将来ホームエレベーターを設置できるプランとすることで、段差のある土地で、階段のある家でも、先々も不自由なく生活できるようにしています。このプランが完成するまで、いろいろと試行錯誤を繰り返し、建て主さんとの度重なる打合せを行いましたので、長い設計期間がかかりましたが、やっと完成することができました。一見、閉鎖的な外観ですが、中に入るととっても明るい住宅です。