上天草市役所大矢野庁舎前の国道266号線から少し入った、自然豊かな場所にこの家は建っています。老朽化した自宅を建替える計画です。敷地の広さは十分過ぎるほどありましたが、西側がガケになっており、一部が土砂災害警戒区域（レッドゾーン）に含まれる為、その部分に建物が掛からないよう計画を進める必要がありました。ご夫婦とご長男が住まわれる予定の家です。延べ床面積30坪ですが、ご要望を満たした収納たっぷりの家になっております。１階のLDK＋客間は、広い庭とのつながりを重視し、軒を深く出して、広い木製縁側を設けています。近所付き合いが密接なこの地区では、コミュニケーションが活発になることを期待しています。また、２階とのつながりも重視し、リビングの天井を高くすることで、２階ホールと空間がつながるようにし、家族の気配を感じられるようにしています。２階にはホールとつながった小屋裏収納もあります。このスペースは、収納としてだけでなく、ホールに設置されたTVを見る時の観客席としても利用でき、使い方は建て主さんのアイデア次第でいろいろと活用できそうです。竣工間際に熊本地震に見舞われましたが、無傷だったこの家は、今後も家族を守ってくれると思います。